ボウリングって身近で手軽にできるスポーツなので、やった事の有る人は多いと思います。
しかし世の中の多くの人はボウリング場に備え付けのボール(ハウスボール)の中から自分に合っていそうなボールを探して投げていると思います。またボウリング用の靴もボウリング場から1回毎に借りているのではないでしょうか?
世間一般ではそういった感じでレクリエーションスポーツとしてボウリングを年に数回、いや数年に1回といった頻度でされていると思います。
平成30年度の『スポーツの実施状況等に関する世論調査』(スポーツ庁)によると、男性と女性を合わせた数値ではこの1年で実施したスポ-ツの順位でボウリングは水泳、登山、テニス、バドミントン、スキー、スノーボード、サッカー、バレーボール、バスケットボールよりも上であるという驚くべき結果となっています。
しかしスポーツニュースでボウリングが報道されたのを見た事がある人はどれ位いるでしょうか?
日本のボウリングは世界の檜舞台では通用しないから?いえいえ昨年のアジア選手権では男子日本ナショナルチームはチーム戦で金メダルを獲得。世界選手権でもチーム戦で7位に入っており、活躍しているのです。
ボウリングが『スポーツ』として認識されにくいのは『分かりにくさ』が多分に影響されているのだと思っています。
例えばゴルフであればやった事のない人が見ても、フェアウェーが狭いとか、バンカーや池が有るとか、風が強いとか、その難易度が見てすぐに想像できます。
ボウリングのレーンにはオイルが塗られています。塗り方はレーンメンテマシンの高度化により様々な塗り方が可能となっています。
画像ですが1番上に載せた物はスポーツコンディションと言われる競技仕様の物です。後の2つはハウスコンディションと言われる一般的なオイルコンディションです。
スポーツコンディションにも多くの種類が有りますが画像の塗り方ではほぼ均一にオイルが塗られているのに対しその下の2つのハウスコンディションはレーンの内側に多くのオイルが塗られ、外側には薄く、そしてガターに近い所には全く塗られていない状態になっています。
競技ボウラーは自分用のボール、いわゆるマイボールを使用しますがボウリング場に備え付けてあるハウスボールが摩擦係数の少ない表面なのに対し、マイボールは摩擦係数が高くなっています。
立て回転と横回転が複合した回転をしながらボールはピンに向かって進みますが、オイルが薄い、または塗られていない外側ではボールはレーンとの摩擦で真ん中に向かう動きをし、中の方のオイルの多い所ではオイルの影響で摩擦は減りボールは直進しようとします。
簡単に言えばハウスコンディションはレーン自体がボールをストライクコースに集めてくれるのです。
それに対してスポーツコンディションはレーンがボウラーを助けてくれません。ほんの少しの投げる方向のミス、回転の量やスピードの違いが如実に結果に現れます。
ハウスコンディションであれば私でもパーフェクトゲーム(1ゲームすべてストライクで最高の300点達成)を達成したことも有りますが、スポーツコンディションではトッププロやトップアマでさえ半分の150点に達しない事も起こるのです。
しかしゴルフと違うのはボウリングはオイルが目視出来ない為その難易度が目に見えにくいという点です。たとえオイルが見えたとしても上記のコンディション表見ただけで難易度の分かる人は多くはないというか、マイボウラー以外で分かる方はほぼいないといっても良いと思います。
このボウリングの奥深さを如何に世間一般に伝えていくかが課題であり、レクリエーションではなく競技としてのボウリングの今後の発展には避けて通れない問題だと思います。
昨年末紅白で桑田佳祐さんが歌われた『レッツゴーボウリング』の歌詞にも
『見ただけじゃわからない 魅力にハマると 奥が深いのさ』
と有りますが、まさにその通りでその奥深さをどの様に世間一般に伝えていくかがボウリングを競技スポーツとして認識してもらう鍵となっているように思います。