ボウリングのレーンにはオイルが塗られています。これはレーン自体を保護する目的も有りますが、レーンメンテマシンやボールの高性能化により、オイルの塗り方が近代ボウリングに於いて競技の難易度を左右する重要なファクターになっています。
ストライクが出にくい所謂スポーツコンディションと呼ばれるものの一例ですが、近年日本でもスポーツコンディションを用いた大会が開かれ注目を浴びるようになり、プロアマ所属の競技団体の垣根をとっぱらい、競技志向のボウラーがしのぎを削っています。
何故難易度がオイルの塗り方で変わるかという疑問をお持ちの方も多いと思いますが、ボールは縦方向の回転と横方向の回転を複合した回転をしながらピンに向かって進んでいきます。
レーンの外側はオイルが薄くレーンの中央に行くほどオイルが厚く塗られています。
オイルが厚ければ抵抗が少なくオイルが薄ければ抵抗が大きくなるのでボールは横回転により中心に向かって進みやすくなります。ストライクを生みやすいポケットと呼ばれる場所は右利きで1番ピント3番ピンの間、左利きで1番ピンと2番ピンの間ですのでオイルの塗り方がレーンの外側と中心付近で差がある方がポケットを突きやすくなります。
スポーツコンディションではこのオイル量の内外差が少ない物が多く、少しの誤差でポケットを外してしまうためストライクの確率が下がります。
またオイルそのものの量が多い物も多く、ボールの曲がりが得にくくストライクになる入射角が得にくいコンディションも多いです。
この様な予備知識があるとボウリング観戦もより味わい深い物になる事でしょう。